ちゃんと、ちゃんと。（小川珈琲）

ちゃんと生活したい。ちゃんと朝起きて、カーテンあけて猫にごはんあげて。
ひとりでも大丈夫だけどあなたといるともっと楽しい、と言うべき時に言えるひとになるために。

コーヒーもちゃんといれたい。

私はあんまりグルメじゃない。
おいしいもの、雰囲気のいいお店は好きだけれど、銀座のロオジエなど、憧れないといえば嘘になるけど、
どこで食べるかよりは、誰と食べるかのほうが気になる。

コーヒーもそう。好きになり始めたばかりのころは先が見えないからいろいろ知りたくて、インドネシア産がとか水出しはとか躍起になっていたけれど、今はすっかり1日に4、5杯飲む repetition builderになっている。

豆も、毎日のものだから手に入れやすいのが一番と、ながらく近所の焙煎屋さんで同じものを買っていた。
先日、お店が休みのとき豆を切らしてしまって、仕方なく家の斜め前のナチュラルローソンで豆を買った。

「期間限定　春の香りの珈琲」。普段買っている豆の半分くらいの価格、いかにもおいしくなさそうな名前。
なのに、おいしかった。
とにかく香りがいい。パッケージをあけると、焙煎したばかりのようなキャラメルの甘い香りが広がる。
会社で飲んだのだけれど、何人ものひとに「いい香りだね」「いつもと違う豆？」と声をかけられた。

期待していなかったぶん驚いて、改めてパッケージを見ると、京都・小川珈琲とある。
美味しいはずやわ、と懐かしくなる。



小川珈琲といえばイノダコーヒーとならんでどちらも老舗、大規模店舗展開ながらチェーン店化されていない味を保って、コーヒー消費量日本一の京都で受け入れられている。
関西の実家にいたころはそれこそ毎日飲んでいた。
懐かしい味だからおいしいのか、おいしいのが懐かしかったのか。

200グラム、一袋の「春の香り」が終わり、もう一袋と思ったけれど、ナチュラルローソンでは販売終了。
諦められなくて、ネットで調べてみると東京にも板橋に直営店があるとのこと。
なんだか「グルメ」しているみたいで気恥ずかしいけれど板橋まで行ってみようか、それとも春限定ということで来年を楽しみに待とうか迷っている。