夜のもて来し夏だから

ナビスコカップをサッカーバーでみようと誘われ、自由が丘で待ち合わせました。

会社が終わってから向かいます。
表参道まできたところで、試合を見れる店がないから恵比寿で、と行き先が変更になりました。

自分は人をふりまわすくせに、人に振り回されるとすぐにやる気がなくなってしまうワタシは

しょんぼりしながら恵比寿へ。

恵比寿についたところで携帯をみると、恵比寿にもなかったので大崎へと指示メールがまた、入っていました。

その都度丁寧に地図を添付してくれ、こまめに連絡をくれるのですが

いかんせん、自転車なので恵比寿から大崎まではそうそう簡単に移動できません。

めんどくさくなってやめてしまいました。

 

自由が丘へ帰り、サラダのレシピ本を1冊と、野菜料理のレシピ本を1冊かって

スペイサイドウェイにいきました。

汗みどろで手袋はめてサングラスして、自転車に乗る時のタンクトップとハーフパンツのまま店内に入ると

ウィスキーの権化、みたいな偉いスコットランド人が何人も来ていました。

オールドボトルがたくさん並んでいました。

イベントだったようです。

お化粧もせず、ひとりカジュアルすぎる自分はたいへん恥ずかしい思いをしましたが

常連のみなさんもお店のスタッフさんもいつもの通りthoughtfulでadmirableなのでした。

 

スペアリブの煮込みと夏野菜3種盛り、それから久しぶりなのでウィスキーも少し頼みました。

グレンゴーインとマッカラン、ロングモーンをちょっとづついただきました。

でもどれもそんなにおいしくなかった。どれも似たような紙の味。ロングモーンだけ少しユリの香りがああったのだけれど、はかないものでした。

体調が悪かったのかも。

 

かおりさん、つださんとも久しぶりにお話ができ

ぜんぜん久しぶりじゃないサミルさんともお話ができ

サッカーを見終わった、くだんの友達も無事合流し

良い夜でした。

ワタシの好きなW. H. オーデンの詩のような夜でした。

 

「今日は僕たち、顔をあげて同じほうを見つめている。

おたがい前より近くはないにしてもね。

夜は、」

 

とそこまで思い出して、忘れました。

夜は●●を運んでくるんだ、とこの詩はつづくのですが

一体なにを運んでくるのだったか。

大きいことはいいことだ

先日、まだ1年ほどしか使っていない会社のパソコンを破壊してしまい、

あたらしく買っていただきました。

ありがたいことです。ありがたいのですが。

 

困ったことにちょっと大きいようです。

ディスプレイだけでよこ53センチ、本体と合わせるとデスクの半分以上占めます。

分不相応です。はきだめにツル状態です。

目立つので、社内の人が入れ替わり立ち替わり見物に来ます。

「ちょっとちょっと、メール画面立ち上げてみて」

言われて起動すると、わっはっは、と笑って気が済むのか、ご自分の席に戻っていかれます。

 

ほかにも、DVDみるとき貸して？とか、スクリーンセーバーは水族館みたいなやつにしなよ、とか

仕事内容にかすりもしないアドバイスを次々にいただきます。

たしかに映像は奇麗ですが、見るとき1メートルは離れたいところ。

と思ったら、リモコン標準装備です。

でもリモコンではワードやエクセル操作できません。

 

しかもこのディスプレイはがっちゃん、と高さ調節ができます。

また、通常は横長ですがくるん、と縦長にもできます。

さらに、中華料理屋さんのテーブルのようなものに載っていて、ディスプレイ自体を回転させることもできます。

こんなに気合入れられても、そこまで仕事する気ないですよー。

 

大きいことはいいことだ、ときっぱり主張してくるサイズ感に加えて、この可動性と外観の色から

ガンダム君、と命名されたパソコンは

あむろいきまーす、とか言われながらがっちゃん、と高さ調節して遊ばれています。

 

高さをかえたら座ったままでは画面が見れないし、

縦長にしたところで映っている映像は横長の時と同じだし

ディスプレイを回転させようとすると正面のデスクの人の資料をなぎ倒す覚悟が必要だし

なんともむだむだ。

でもいいの。きらいじゃないわ、そのむだむだ。

クラブラン 塩トマト

土曜日は起きたら15時でした。暑い日でしたので、そのまま夜までもう一度寝ました。花火に行きたかったけれど我慢しました。すこしさみしかったです。

 

日曜日は、自転車で峠めぐりをしました。

朝4時に家を出て八王子に向かいます。走りながら、ラジオ体操のにおいがする、とずっと思っていました。6時半にスタートし、たくさん峠をのぼったり降りたりしました。

 

はじめてご一緒したかたが、ずっと引っ張ってくださいました。何かのご縁だからね、今日はエースのあなたをサポートするよ、といってコンタドールとよばれました。こんなのと一緒にされてコンタごめんね、と思いました。

 

松関のおかみさんも一緒に走ってくれ、ギアの枚数をずっと指示してくださいました。

サポートは補給もばっちりで、コンタドール５つくらい酒まんじゅうを消費し大垂水峠を越えたところでアイスクリームまで食べさせてもらいました。今年の新作ミックスベリー。何しに峠に行ったのかなんだかもうよくわかりません。

 

トマトも食べました。硬くて身が締まっているところに塩がきいて、まったく別の食べ物みたいでした。

 

帰りに表参道のソフトバンクに寄り、新しい携帯電話を受け取りました。時間が押していたので仕方なく、走りまわったままの塩が吹いたジャージと汗が乾かない頭でいきました。早々に受け取って帰りたかったのですが2時間ほどお待ちくださいと言われました。

あの格好で二時間表参道に居座るのは拷問です。

自分の汗臭さに怖じ気づきながら、なるべく目立たないよう隅っこに立っていると知り合いにばったり会いました。

つらかったです。

たまにはデートもするんですよ。

神楽坂でほおずき市がありました。
自転車に乗るようになってから、
おひとりさまの時間ばかりが増えるこの頃ですが、今日は知人と行きました。

なにか、芸能人のひとも来ており、
たくさんの人たちが周りを囲んで携帯電話で写真をとっていました。

わたしはあまり、芸能人に興味がありません。
屋台がならぶ、にぎやかなにぎやかな表通りと、
ホタルが飛んでいそうな、驚くほどの静寂にしずむ裏通りを
交互に行ったり来たりして歩きました。

かき氷やわたあめなど、普通の屋台もありましたが、
神楽坂にもともとある飲食店も屋台を出していました。
古くからある名店や、最近神楽坂ではやっていてどんどん増えている
イタリアンのレストランなどが
和牛の煮込みや、生麩のソテー、梅酒のゼリーに白ワイン、
なんだかおいしそうなものをたくさんにその場で料理していました。
普段は敷居が高くて入れないようなお店の料理も、500円くらい。大人のお祭りです。
大好きなお店「山さき」も屋台を出していました。

料理店ではないのですが、まかないこすめ、というこれも神楽坂にある、すきなお化粧品のお店も屋台を出していました。
お化粧水、あぶら取り紙、髪用あぶらなど、お店の商品が「まと」になっている射的です。
絶対むり、と思いましたが、連れにすすめられてやってみると
一回目で一番ほしかった、顔を洗う用のこんにゃくスポンジを当ててしまい
嬉しいよりむしろはずかしくなってしまいました。

そば粉のクレープのお店、「ル・ブルターニュ」が出す屋台で
塩キャラメルとチョコバナナのクレープをたべ、
イチゴとマンゴーのかき氷をたべ、
さらにさらに、紀ノ善まで足をのばして、あんみつを食べました。
お座敷で、あついお茶とお茶うけのおかきがついてきました。

今年いちばん夏らしいことをした日でした。
あまいものをたくさん食べれて幸せでした。
ほおずきを買い忘れました。

接客業のこと。

基本的に、いつも同じお店を利用するほうです。

レストランも美容院も自転車屋さんも服屋さんも。

よく飽きないな、と自分で思いつつ、スペイサイドウェイなど、通い始めて10年になろうとしています。

 

もちろん「自分の希望の品が何でもいつでも用意されているお店」はありません。

たとえば、その美容院のトリートメントは自分の髪質に一番あうアレではない、というような場合もあります。

妥協するか、トリートメントだけ他のお店に行くか、というところでいつも

わたしは他のお店にいく選択肢を選べません。

安心できる場所でしか自分のことをまかせたくないと思ってしまうのです。

もっというと、自分のことをよく知っている専門家がコーディネートしてくれるのが

いちばん間違いがない、と思っています。

だから、お客さんの自分が信頼したとき、それに答えてくれるお店がすきです。

スペイサイドが好きなのは、価格がリーズナブルでご飯がおいしいだけじゃなくて

お客さんに対するsensibleでthoughtfulな心遣いからです。

こんばんは、と入ったときにその日の気分と体調を察してくれます。

体調が悪い時はいきなり熱い紅茶が出てきます。

面白いといった本をいつのまにかきちんと読んでいます。

二の腕をさすっていると冷房を切ってくれます。

店員さんは私のプライベートはあまり知りませんが、

私が嫌いな人に対してするしぐさ、しんどい時のリアクション、好きな食べ物、これまでに飲んだウィスキーなどを忘れたことがありません。

お客さん一人一人にこうした気配りをつづけるのは、ほんとうに大変なことです。

一ヶ月に1日しか休みを取らず、ストイックにそのレベルの仕事を維持してくれる

店長さんを私は尊敬しています。

 
 

飲食業は欧米と比べ、日本では地位が低いんですよ、底辺ですとご自分では笑っていらっしゃいますが

職業に貴賎なしです。どんな仕事でも、一生懸命にやって抜きんでている人は尊敬されるべきと思います。