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BOOK3など、話題になっている世間さまに逆行し
グスタフ・マーラーの回想記なんかを読みました。
奥さんのアルマが書いたものです。
 
マーラーは20世紀初頭の作曲家、指揮者。
たくさん曲を書いた人。
天才肌で傍若無人、奇行も多く、自分を曲げない変な人。
 
奥さんのアルマは芸術一家に生まれ、自身も音楽の才能がある人。
でも結婚を機に作曲をやめ、ひたすらマーラーを支えます。
才気煥発がゆえに、その生活は徐々にアルマを苦しめたそうです。
 
*  *  *
「極端な子供っぽさ、徹底した無頓着ぶりは迷惑以上のものであった。
私は次第に劣等感にさいなまされる結果になっていった。
涙があふれそうでも我慢して陽気にふるまうことが多くなった。
彼に見せてはならなかった。
 
私はどこにいくにも、昔作った無数の歌をもって歩いていたが、
その包みは除くこともできない棺のようなものであった。
 
ある日、彼が思いがけない時間に帰宅したことがあって
私は泣いているのを見られてしまった。
理由を聞かれた。
 
そして、私の額に手を当てて
花開かざりし夢か、といった。」
*  *  *
 
大きく年の離れた2人で、
マーラーはアルマの未来に嫉妬し、
アルマはマーラーの過去(成したもの)に嫉妬していました。
 
しかしたいへん愛し合ったふたりでした。
アルマの陣痛の際、すこしでも痛みをやわらげるため
知恵を絞ったマーラーが思いついたのはなんと、
枕元で大声でカントを朗読することだったそうです。
 
「たしかに精神を集中させることは苦痛を和らげる。
ただ、こうした場合に読む本としてカントは適切でない。
難しくて何も分からない」
 
きまじめにそう綴りながら、マーラーに感謝するアルマなのでした。
 
また、ある時マーラーが
「今日はこんなものを失敬してきた」といって紙片をアルマに渡します。
その日指揮した楽譜の表紙に、
~日、この譜にて指揮す、というワーグナーの筆跡を見つけ
ワーグナーが好きなアルマの為にその表紙を切り取って持って帰ってきちゃったそうです。
ほのぼのなエピソードです。
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1980/07/11
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自己紹介:
冬も緑の葉っぱがしげる、東京都内の街路樹のしたを走る通勤模様を中心に、
自転車に関するヨシナシゴトを書いています。

たまに無謀なロングライドを試みては返り討ちにあっています。



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そのほか 、
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ことなどが好きなので、そういう話もできたらと思います。
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