自転車２景

【パン屋のおばちゃん】

毎朝いくパン屋さんがあります。

会社から歩いて5分ほどの、明治時代から続いているパン屋さんです。

レジにたつおばちゃんも毎朝同じ人です（こちらはさすがに、戦後のかただと思われます）。

先日、いつものパンをミルク色のプラスチック・トレイに乗せてもっていくと

焼き立てなので、と紙袋にそのパンを入れてくれながらおずおずと

「もしかしてその、それは自転車のスポーツですか？」

とたずねられました。

背中にのけたヘルメットとおでこに乗せたサングラスと、指きり手袋とレーパンの順に

遠慮がちに目をやりながら言われました。

「あ、そうです」

というと

「そうなんですねー！　なんかさわやかねえ。イメージと違うわあ。」

とおばちゃんのテンションが鯉の滝のぼりになっていました。

いやおばちゃん。

毎朝20キロくらいしか漕いでない姿でお目にかかってますが

この格好であと100キロ走ったらそこそこさわやかではなくなりますよ。

 

【カフェの伝票】

これまた通い詰めているカフェが家の近所にあります。

バワリーキッチンという、東京でごはんが食べられるカフェを最初に始めたお店です。

ゴルゴンゾーラとクリのペンネや、ムール貝を蒸しただけの料理がとてもおいしいです。

2日ほど前、お会計をしてもらおうと思ってレジに行った際はじめて気がつきました。

通常テーブル番号が書いてあるはずの伝票の斜め上の部分に

「ちゃり」

と書いてありました。

おい、と思いました。